上の前歯だけの裏側矯正
前歯だけを裏側矯正で治療する場合
治療範囲や治療装置によって、様々な治療ができる部分矯正ですが
ここでは【上の前歯4本】を【裏側矯正】する治療について紹介します。
なぜ上の前歯4本?

部分矯正はもともと全顎矯正の治療技術を部分的にした治療で、審美目的に治療するケースがほとんどです。
もっとも目立つ「上の前歯」を治療するには、上の前歯4本を治療するのが一般的です。
例えば写真のように「正面の前歯2本が気になる」というケースでは、サイドの2本を動かして正面の前歯2本を動かすスペースを作ります。
※実際に治療するのは必ずしも4本とは限りませんが、ここでは簡潔に説明するため、比較的ベーシックな前歯4本の場合を紹介します。
なぜ裏側矯正?

裏側矯正では、歯にワイヤー装置をつけます。
歯に直接力をかけて、正しいポジションに導きます。
当院は矯正歯科のため間接的に力をかけるマウスピース矯正の実績も多数ありますが
治療時のコントロールや治療後の仕上がり面においては、ワイヤー装置を使う裏側矯正が優れています。
※当院では裏側矯正のほかにマウスピース矯正(インビザライン矯正ほか)や表側矯正も行っています。
ご希望の方は初診時にお知らせください。
どんな人が受ける治療?
- 前歯の仕上がりにこだわりたい方
- 短期間(数か月)で早く治したい方
- なるべく低料金で治したい方
- 目立たない装置で治したい方
- 当院の診察で治療可能と判断された方
前歯・裏側矯正5つのポイント
1上の前歯を正しいポジションに動かします
矯正は、歯に装置をつけて動かす治療です。
一本一本の歯の位置や角度を変えることにより、デコボコした歯並びをきれいに並べたり、前歯の角度やズレを治したりできます。
※歯を大きく削ってかぶせものをする治療ではありません。
2上の前歯だけを治療
矯正治療は、すべての歯を治療する場合と、部分的に行う場合があります。
すべての歯を治療する場合よりも価格はおさえられ、お財布に優しい治療法です。
また、上の前歯はとても目立つ歯列なので、第一印象が変わりやすいです。
3装置が目立ちません
裏側矯正では、歯の裏側(舌側)に矯正装置をつけます。
歯の裏側にワイヤーをつけることで、前歯4本にしっかり力を加えて動かします。
元々の歯並びにもよりますが、多くの場合は周りから見えません。
治療中も周りの目を気にせず、歯並びを変えられます。
※当院ではマウスピース矯正による治療も行っています。
4最短3ヶ月、最長12ヶ月という治療期間
すべての歯を矯正する全顎矯正は1~2年かかることが一般的ですが
前歯だけ矯正する部分矯正は3~12ヶ月と比較的短いです。
歯に直接装置をつけ、しっかり力をかけて、歯の位置や角度を調整します。
治療期間中は2~4週に1回の頻度で来院しても通院して矯正装置を調整します。
5後戻りしないための保定
せっかく歯並びを変えても、しっかり定着させなければ後戻りしてしまいます。
保定治療は、一般的にはマウスピースを使用することが多いですが
当院では、患者様のつけ忘れによる後戻りを防ぐため、ワイヤーで固定することが多いです。
その上で、歯ぎしりなどある方は、マウスピースなどを併用してもらいます。
ワイヤータイプの保定装置は、歯の裏側の根元に着ける非常に小さくて細いタイプです。
どんな症状を治せるのか
例「前歯2本の傾きを治したい」
前歯2本が羽のように傾いてしまうのは、よくあるケースです。
両側の2本の歯を動かしてスペースを作り、前歯2本の傾きを治します。

例「前歯2本の前突を治したい」
上の前歯2本が前突し、出っ歯になっている状態です。
4本の歯を動かすことで、前歯2本の前突を治療します。

例「前歯1本だけの前突を治したい」
前歯の1本だけが出っ歯のように前突する状態です。
4本の歯を動かすことで、前突している歯が収まるスペースを作り出します。

例「前歯の切端のバランスをとりたい」
切端(せったん)とは、歯の先端部分をつないだ線のことです。
極端に長く見える歯や短く見える歯も、角度などを調整してバランスをとります。

例「すきっ歯を治したい」
小さな歯があるなどの理由で、前歯にすき間ができてしまうケースです。
歯の正中と顔の正中も合わせていきます。
※歯自体を大きくするには、かぶせ物の治療が必要になります。

綺麗な歯並びのポイント
当院では、綺麗な歯並びのポイントは
①歯と歯ぐきの境目のバランス
②歯の正中と顔の正中が一致
③歯の切端のバランス
などがあると考えています。

前歯4本の部分矯正によりどれだけバランスを整えられるかは、症状によって異なります。
まずは初診や検査であなたのお口が部分矯正可能かどうかを調べてみてはいかがでしょうか。
この治療に使う装置について
歯を動かすために使う「矯正装置」、動いた歯を定着させるために使う「保定装置」を紹介します。
矯正装置
アゴを閉じている時は左写真のように装置が見えませんが、お口を開けると右写真のようになっています。装置は歯1本ずつに金属性の装置を着け、それぞれをワイヤーでつなげる形状が一般的です。症状によってはパーツを追加して使用する場合があります。
「周りの方に気づかれますか?」という質問をよく受けますが、周りの方に装置が気づかれない方が多いようです。もちろん元々の歯並びによっては見えやすい場合があったり、お口を大きく開けると見えたりする場合があり、まったく見えないわけではありません。

裏側矯正装置をつけている写真です。装着期間は3~12か月間です。
保定装置
歯が正しいポジションに動いた後は、歯の後戻りを防ぐ保定(ほてい)に入ります。着脱可能なマウスピースだけでは着け忘れにより後戻りが起きることがあるので、当院ではワイヤータイプの保定装置を使用しています。
歯を動かした後の2年間~この装置をつけます。保定装置は矯正装置と比べて小さく、食事や滑舌への影響も限定的です。

症例(20歳女性・叢生の治療)
歯並びガタガタしていることが気になり、当院へいらした方の症例を紹介します。
この方は上下の前歯に叢生が見られましたが、患者様のご希望で上の前歯のみの矯正治療を行いました。
矯正治療で歯のねじれも解消し、前歯が整いました。


治療後の写真では、歯の裏側にワイヤーがついています。
これは後戻りしないように保定治療を行うためのワイヤーです。
当治療を受ける上での注意点
1治療内容と仕上がりの限界について
今回の部分矯正で動かすのは、基本的に上の前歯4本です。
そのため、歯並びのガタガタが強い場合や八重歯、骨格的な要因が強い場合は、仕上がりの限界があります。
ご自身の歯並びに治療が可能かどうかについては、初診もしくは検査時の診断となります。
※LINE相談で簡易的な相談を受けることは可能です。
2咬み合わせの治療は原則不可
お口全体を矯正する全顎(ぜんがく)矯正は、咬み合わせを治療しますが、部分矯正ではできません。
例えば、出っ歯の前歯が下を向くことにより、以前よりも多少噛めるようになるケースはあります。
しかし、上下の歯の位置を調整してしっかり噛み合わせるような調整は基本的に難しいと思ってください。
3生活面での注意点
まず、歯に力をかけて動かすため、痛みやうずきを感じます。
感じ方には個人差があり、全く痛まない方や痛みを強く感じる方など様々です。
調整した日から3日間は、特に痛みを感じやすいです。
不安な方は、診察時にご相談ください。一回の歯の調整量を減らすなど、痛みを軽減することが可能です。
次に、滑舌に影響が出る場合があります。
これも個人差が大きく、特に舌が大きい方は影響が出やすいです。
最後に装置のお手入れについてです。
装置をつけている間は、歯と装置の間を清潔にします。
歯間ブラシを使ったお手入れ方法を指導します。
また、装置に粘着してしまうガムやお餅、硬くて装置を壊してしまうナッツ類などは避けましょう。
当院の考え方
人生で初めての矯正治療を有意義なものに
多くの方にとって、矯正治療は人生で初めての経験です。
患者さんにとってわからないことや慣れないことが多くて当然です。
なるべくわかりやすい言葉で治療説明を行なっています。
細やかな希望や相談も話してください
お口の中は繊細でデリケートです。
そのため、矯正治療のカウンセリングもデリケートなことをお話しすることになります。
一度きりの矯正治療を成功させるために、ご自身の希望を伝えてください。
当院では患者さんのすべての相談や質問にしっかり答え
治療前だけでなく治療中もしっかりと向き合います。
お口元への美意識に寄り添います
お口のどこが気になりますか?
お口の正中、切端ライン、前歯2本だけ大きく目立つなど、人によってさまざま。
前歯4本を治療するといっても、100人治療するとしたら100通りの治療があります。
患者さんの美意識をお伝えいただくことで、治療後のイメージをしっかり共有し、歯を動かします。
多くの方に歯科矯正を
部分矯正は矯正治療の中でも、比較的短期間・低価格で治療ができるという点で、患者さんにやさしい治療だと考えています。
他院で部分矯正を断られた方でも、ご希望の方には部分矯正でどこまで治療できるかという立場で診察を行っています。
※状況によっては治療不可な場合があります。
なるべくご希望通りの矯正装置を
裏側矯正は、治療期間中も見た目に響きづらいという点で、患者さんにやさしい治療だと考えています。
基本的に表側矯正が可能な症例であれば、裏側矯正もほぼ可能という考え方です。
なお、裏側矯正装置は、矯正医にとって表側よりも狭いエリアで歯をコントロールしなければいけないという繊細さが要求され、高い技術が要求されます。
当院では裏側矯正という専門性を磨いています。
治療にかかる期間とお支払い
部分矯正の治療期間
矯正治療は、歯を動かす期間と歯を定着させる期間があります。
最初の3~12ヶ月 | 上の前歯4本を動かします。 ・通院は2~4週間に1回です。 |
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その後2年~ | 動いた歯を定着させます。 ・通院は3~6ヶ月に1回です。 |
費用の目安
①治療前(初診時・検査時) |
初診:3,300円 精密検査:22,000円(部分矯正の場合) |
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②矯正装置費用(契約時) | 385,000円 |
③通院ごとにかかる処置料 | 矯正期間中 来院つど:6,600円 |
④通院ごとにかかる処置料 | 保定期間中 来院つど:1,100円~5,500円 |
※上記以外に処置が必要な場合は、別途料金がかかります。価格表示はすべて税込。
お支払いについて
一括払いの場合
①~④の費用がかかります。①は初診や検査の当日、②はご契約時、③と④は通院時にお支払いください。
現金払い、銀行振り込み、クレジットカードで受け付けています。
10回までの分割払いの場合(無利子)
治療期間に準じて、医院の窓口で分割払いに応じています。(最大10回まで)【費用の②】
(例)【費用の②】を4回分割の場合、10万円×3回、85,000円
11回以上の分割払いの場合(デンタルローン)
デンタルローンもご利用可能です(審査結果により利子が変わります)。
(例)【費用の②と③】を60回払いの場合、月々 約8,016円(60回払い・金利4.5%の場合)
(例)【費用の②と③】を84回払いの場合、月々 約5,970円(84回払い・金利4.5%の場合)
医療費控除について
医療費控除とは
医療費控除を申告すると、所得控除を受けることができます。年間の所得が200万円以上の場合、1年間に支払った医療費が10万円以上だと所得税が減額されるしくみです。矯正治療にかかった費用も適用され、検査費用・治療費用・通院費用などが含まれます。
医療費控除の受け方
毎年3月の確定申告で申請します。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
治療の流れ
1予約
LINEまたは03-6228-7107までお電話ください。
当院は銀座駅 徒歩2分のところにあります。
ご希望の方は無料オンラインカウンセリング(予約制)
2初診・カウンセリング
患者さんのご希望や気になるところを聞いた上でお口の中を見て、本治療の必要性や可否を判断します。【30分】
大まかな治療プラン(価格・仕上がり・期間を含む)をお話しします。
3検査
初診相談を踏まえ、矯正治療に必要な検査をします。【30分】
4治療プランの決定
検査結果を踏まえて、担当医が治療プランを提案します。
治療プランが複数ある場合は患者さんに選んでもらいます。
※矯正前処置が必要な場合は、治療前に行います。
5治療1回目
矯正装置をセットし、今後のお手入れ方法を指導します。
6治療2回目以降
矯正装置をつけてから少しずつ歯が動いていきます。それに伴い、メンテナンスを行い、歯を正しいポジションに導きます。メンテナンスの頻度は2~4週間に1度です。
7治療最終回
歯が正しいポジションになり、条件がそろったら矯正装置を外し、保定装置をセットします。噛み合わせに問題がないこと、患者さんが歯並びに満足することが矯正装置を外すための条件となります。
なお、ホワイトニング治療をご希望の方は、矯正装置を外すこの日から可能です。